第132回日経俳句会

日経俳句会は9月17日(水)午後6時半から東京内神田鎌倉橋交差点そばの日経広告研究所会議室で例会(通算第132回)を開催した。

つい先頃まで暑い暑いとぼやいていたのが嘘のような秋冷の候となり、句会出席者20人、投句参加者12人、投句総数153句と相変わらずの盛況ぶりを見せた。この日の兼題は「墓参」と「鮭」。投句は3句以上5句以内、選句7句として句会を行った。選句結果は最高点が9点で、「もう少し生きてみますと墓参 悌志郎」の1句。次席は7点で「肩の荷を下ろして帰る墓参かな 庄一郎」「墓洗ふ終に養子にならぬまま 恂之介」「日を跳ねて波跳ね上げて鮭のぼる 綾子」の3句、三席は5点で「墓洗ふ家系に一人残されて 反平」「掃苔や素直になりて父に逢ふ 靑水」の2句だった。以下、4点が4句、3点10句、2点26句、1点44句という結果になった。兼題別高得点句(3点以上)は次の通り。

「墓参」

もう少し生きてみますと墓参     大倉悌志郎

肩の荷を下ろして帰る墓参かな    井上庄一郎

墓洗ふ終に養子にならぬまま     今泉恂之介

墓洗ふ家系に一人残されて      大沢 反平

掃苔や素直になりて父に逢ふ     金田 青水

墓参り想ひは父の肩車        髙石 昌魚

戻る家なき生国の墓洗ふ       廣上 正市

ローカル線棚田にぐるり墓地ありて  岡田 臣弘

墓参り隣は子連れ若夫婦       流合研士郎

「鮭」

日を跳ねて波跳ね上げて鮭のぼる   大下 綾子

海の色川の色変へ鮭の群れ      大倉悌志郎

アイヌ語の地名懐かし鮭のぼる    嵐田 啓明

鬼の目を盗んで蹴るや鮭の缶     植村 博明

初鮭や鳥獣川に宴を張る       大熊 万歩

初鮭に生醤油少し老夫婦       徳永 正裕

また落ちてまた跳ね上がる鮭の群れ  星川 佳子

「当季雑詠」

銀輪の縦の一列秋の雲        廣上 正市

石段のひびに一列にらの花      大澤 水牛

虫の音を聞きつつ寝入る浄土かな   須藤 光迷

近隣の婆さま集ふバーの秋      堤 てる夫

 

 

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