姨捨山田毎の月吟行を開催

日経俳句会と番町喜楽会は9月7、8両日、「おばすて観月祭」開催中の長野県千曲市の「姨捨の棚田」を訪れ、観月吟行会を催した。参加したのは大澤幹事長以下、両会の有志13人、雨模様の予報をものともせず、長野新幹線を長野駅で乗り換えてJR篠ノ井線姨捨駅に昼過ぎ集合した。一行の気合いが天に通じたのか二日間とも好天、特に満月を翌日に控えた7日夜は鮮やかな「十四夜月」に恵まれた。

夜の観月ツアーのあとはホテルに戻り、連句の会。日中の棚田散策、松尾芭蕉の面影塚のある長楽寺見学など句材たくさんの一日を思い出しながらの一夜となった。翌8日は善光寺参詣に向かう人、姨捨一帯の名所、武水別神社などを巡る人などそれぞれの日程をこなして帰途についた。

吟行句会は恒例のメール句会とし、投句3句、選句4句(天5点、地3点、人2点、入選1点)で得点を集計した。その結果、最高は今泉恂之介さんの「更科に晴れ女来て今日の月」が20点、次席は堤てる夫さんの「善光寺平瞬き涼新た」が16点、三席は玉田春陽子さんの「待宵や駅に味噌屋の小商い」が14点。田中白山さんの「棚田へは行きも帰りも萩の道」が11点、澤井二堂さんの「小さき田の案山子も眺む姨の月」が10点、高瀬大虫さんの「棄つらるる齢越え来て良夜かな」が9点と続いた。

参加者は、嵐田啓明、今泉恂之介、井上庄一郎、大澤水牛、岡田臣弘、澤井二堂、高井百子、高瀬大虫、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、野田冷峰。

参加者の代表句は以下の通り。

月待つや棚田の中のさざれ石     嵐田 啓明

名月や鎮む棚田に里光る       井上庄一郎

老僧の芭蕉と座する月見堂      今泉恂之介

あきらめてをりしが棚田を照らす月  大澤 水牛

名月に味噌せんべいの味も添へ    岡田 臣弘

姨捨のスーパームーンや母の影    澤井 二堂

千曲川見下ろす案山子踊りをり    高井 百子

姨捨や案山子田毎に月迎へ      高瀬 大虫

小望月闇のくの字の千曲川      田中 白山

名月や棚田の水の音高く       谷川 水馬

秋の蝶黃金の波の十里ほど      玉田春陽子

姨捨や観月列車二胡の弦       堤 てる夫

夜明け前編まれし里の月今宵     野田 冷峰

(報告 堤てる夫)

 

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