日経俳句会平成26年度上期合同句会

日経俳句会は6月18日(水)午後6時半、内神田の日経広告研究所会議室で、平成26年上期合同句会(通算18回)を開催した。兼題は「父の日(ちちのひ)」「時鳥(ほととぎす)」で、当季雑詠句と合わせ3句投句。幹事と会員が事前にメールなどやり取りして投句・選句を済ませ、合同句会は選句結果の発表でスタートした。出席者は21人、投句参加者14人で、投句総数は105句。

今回の最高点は九点で「どの田にも水走らせよ時鳥 嵐田啓明」と「父の日も草むしる父背丸し 大澤水牛」の2句。次席は6点で「父の日や無口息子のメール来る 高石昌魚」と「父の日やイトウを釣りし話など 廣上正市」の2句。次いで5点は「富士隠す雲切り裂きて時鳥 水牛」、「父の日のいつかも知らず老いにけり 片野涸魚」、「父の日よ祝日の無い六月よ 杉山智宥」、「父の日や区立図書館閉じるまで 鈴木好夫」と4句が並んだ。

続く4点は6句、3点8句、2点19句、1点27句。兼題別、3点以上の高点句は次の通り。

「父の日」

父の日も草むしる父背丸し       大澤 水牛

父の日や無口息子のメール来る     高石 昌魚

父の日やイトウを釣りし話など     廣上 正市

父の日のいつかも知らず老いにけり   片野 涸魚

父の日よ祝日の無い六月よ       杉山 智宥

父の日や区立図書館閉じるまで     鈴木 好夫

父の日や四十娘のありがたう      大沢 反平

父の日や玄関で待つ去年の杖      澤井 二堂

父の日は笑顔で過ごす日と決めて    横井 定利

「時鳥」

どの田にも水走らせよ時鳥       嵐田 啓明

富士隠す雲切り裂きて時鳥       大澤 水牛

ほととぎす山懐の阿弥陀堂       堤 てる夫

衝撃の訃報聞く朝ホトトギス      片野 涸魚

裏山を声明に和し時鳥         星川 佳子

「雑詠」

足の裏拭ひたくなり梅雨に入る     植村 博明

思ふこと違ふ二人やソーダ水      大倉悌志郎

紫陽花や佐倉義民の眠る墓       徳永 正裕

万緑の荒涼として友の逝く       大沢 反平

荒梅雨や贔屓チームの負け続け     大下 綾子

まぼろしの特攻基地や蛍飛ぶ      須藤 光迷

若き継母父を奪ひし梅雨の入り     藤野十三妹

電車撮る小さき脚立夏はじめ      星川 佳子

 

参加者(出席)池村実千代、井上庄一郎、今泉恂之介、植村博明、大澤水牛、大下綾子、岡田臣弘、澤井二堂、杉山智宥、鈴木好夫、須藤光迷、高石昌魚、高瀬大虫、高橋ヲブラダ、堤てる夫、徳永正裕、直井正、野田冷峰、藤村詠悟、星川佳子、横井定利(投句参加)嵐田啓明、大石柏人、大熊万歩、大倉悌志郎、大沢反平、片野涸魚、金田青水、久保田操、田中頼子、廣上正市、藤野十三妹、水口弥生、村田佳代、山田明美(まとめ・堤てる夫)

 

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