日経俳句会の春の恒例行事、村田英尾先生のお墓に詣で、隣接の多摩森林科学園の桜保存林へ行く桜吟行は今年で7回目。4月12日(土)、大澤水牛幹事長はじめ13人が参加した。絶好の花見日和に誘われて繰り出した人々で、集合場所のJR高尾駅北口は大混雑。駅から近いハイキングコースに向かうグループが列を成す中、霊園方面へのバスに乗り込む。車内もかなりの混みよう。バスを降りて春の日差しを全身に浴びる。霊園内の桜が眩しい。
英尾先生の墓に花を供え、線香をくゆらせ、田中頼子さんの読経に一同唱和した。今回は日経俳句会賞英尾賞(平成24年度)に輝いた藤村詠悟さんが初参加した。
墓参の後は桜狩、徒歩15分ばかりの多摩森林科学園へ。染井吉野が終わりかけ、八重や枝垂れが「主役」の園内はかなりの人出。真っ直ぐいつもの昼食ベンチに向かうが、空席少なく、あぶれた人達は奥まった東屋傍の広場にシートを広げて場所つくりをした。
遊歩道のさまざまな案内板がさらに整備された感じ。紅枝垂れの美しい木が衰え、一方、保存林で作出された八重咲きのサトザクラがNHK大河ドラマ「八重の桜」主演の綾瀬はるか命名で「はるか」と名付けられ、デビユ―するなど、桜保存林も少しずつ変化している。
解散後のメール句会は、投句3乃至5句、選句5句で実施。投句総数62句、最高点は4点で、田中頼子さんの「まみどりの風の生まるる新芽かな」の一句のみ。次いで3点句が10句並んだ。
参加者の人気作品は次の通り。
坂登ることの幸せ花の山 今泉恂之介
これはこれは花の貼りつく握飯 大澤 水牛
南斜面すみれの群れの駆け下りる 大下 綾子
具合どう英墓にこやか桜降る 岡田 臣弘
山のぼり谷くだりても花の中 澤井 二堂
たらの芽がうずうずしてる陽の斜面 杉山 智宥
まみどりの風の生まるる新芽かな 田中 頼子
観る人も観られる花も歳とれり 堤 てる夫
花守の奥へ奥へと誘へり 徳永 正裕
墓守のごときタンポポ陽に映えて 野田 冷峰
晩年の足音聞こゆるさくらかな 廣上 正市
高尾駅老いも若きも花目指す 藤村 詠悟
さまざまの家紋見比べ桜墓地 星川 佳子
(記録 堤てる夫)