番町喜楽会は桃の節句の3月3日(月)午後6時半、千代田区九段下の生涯学習館四階集会室で平成26年第3回例会(通算102回)を開催した。兼題は「春眠(しゅんみん)」「雛祭(ひなまつり)」で、出席12人、投句参加4人。投句総数は80句。6句選句で進めた結果、最高は5点で大澤水牛さんの「春眠やろくろの芯も狂ひがち」、谷川水馬さんの「女房の買物待つや春眠し」、山口斗詩子さんの「夫の忌の近づきを知る春時雨」の3句が並んだ。
次席4点は、高井百子さんの「便り来ぬ娘想ふや雛あられ」、玉田春陽子さんの「人生の放課後にゐて日向ぼこ」、前島巌水さんの「春眠の覚むれば消ゆる秀句かな」の3句。続く3点は6句、2点11句、1点23句。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「春眠」
春眠やろくろの芯も狂ひがち 大澤 水牛
女房の買物待つや春眠し 谷川 水馬
春眠の覚むれば消ゆる秀句かな 前島 巌水
春眠や木造二階建医院 星川 佳子
春眠や頸動脈にをんなの手 三好 六甫
「雛祭」
便り来ぬ娘想ふや雛あられ 高井 百子
雛みなこちら見てをり闇の中 今泉 而雲
三姉妹道それぞれに雛祭 徳永 正裕
年ひとつ連れて戻りぬ古雛 三好 六甫
母と娘(こ)の会話が飾るひな祭り 山口斗詩子
「雑詠」
夫の忌の近づきを知る春時雨 山口斗詩子
人生の放課後にゐて日向ぼこ 玉田春陽子
参加者(出席)今泉而雲、大澤水牛、須藤光迷、高瀬大虫、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、野田冷峰、星川佳子、前島巌水(投句参加)井上啓一、高井百子、三好六甫、山口斗詩子
(まとめ・堤てる夫)