番町喜楽会は9月2日(月)午後6時半から千代田区九段下の生涯学習館4階会議室で、平成25年第9回例会(通算96回)を開いた。
兼題は「秋の雲(あきのくも)」「桔梗(ききょう)」で、出席14人、投句参加1人、投句総数は75句。6句選句で句会を進めた結果、最高は谷川水馬さんの「終の地と定めし庭の桔梗かな」と、星川佳子さんの「白桔梗祖母の指輪は母の手に」の6点句2句。次席は堤てる夫さんの「秋の雲一茶井月山頭火」の5点句。
続く4点句は、井上啓一さんの「子等はみな異国にありて秋の雲」、大澤水牛さんの「もつ焼きを喰はむ残暑の川向う」と「席詰めぬ頑な女秋暑し」の2句に、須藤光迷さんの「妻呼ばな赤く染まれる秋の雲」、玉田春陽子さんの「桔梗や方丈庭の箒跡」の計5句。以下3点5句、2点9句、1点19句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「秋の雲」
秋の雲一茶井月山頭火 堤 てる夫
子等はみな異国にありて秋の雲 井上 啓一
妻呼ばな赤く染まれる秋の雲 須藤 光迷
大筆でさつとひと刷き秋の雲 星川 佳子
「桔梗」
終の地と定めし庭の桔梗かな 谷川 水馬
白桔梗祖母の指輪は母の手に 星川 佳子
桔梗や方丈庭の箒跡 玉田春陽子
角館桔梗咲きたる武家屋敷 井上 啓一
父母に一枝づつの桔梗かな 堤 てる夫
「雑詠」
もつ焼きを喰はむ残暑の川向う 大澤 水牛
席詰めぬ頑な女秋暑し 大澤 水牛
新涼や壁の海図はオホーツク 今泉 而雲
あらはれてまた陰に入る盆踊 徳永 正裕
参加者(出席)井上啓一、今泉而雲、大澤水牛、須藤光迷、高井百子、高瀬大虫、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、野田冷峰、星川佳子、前島巌水(投句参加)岩沢克恵 (まとめ・堤てる夫)