番町喜楽会は8月3日(土)午後1時から千代田区二番町の番町ハイム会議室で、平成25年第8回例会(通算95回)を開いた。兼題は「毛虫(けむし)」「夏深し(なつふかし)」で、15人の会員からの投句総数は73句だった。6句選句で進めた句会で、最高は星川佳子さんの「塀越しに毛虫のわいて貸家札」の5点句。次席は高井百子さんの「夏深し眉を濃い目に襟を抜き」の4点句。続く3点句は8句で、高点句(3点以上)は合計10句に止まった。猛暑続き、出席者も9人(投句参加6人)と少な目だった。しかし発言時間ゆったりの合評会は活発で、暑さそこのけの賑やかさだった。兼題別の高点句は次の通り。
「毛虫」
塀越しに毛虫のわいて貸家札 星川 佳子
背を伸ばし空を見てゐる毛虫かな 今泉 而雲
毛虫出で上毛三山見はるかす 谷川 水馬
南無南無と作務衣の和尚毛虫焼く 玉田春陽子
白毫寺五辯に潜む毛虫あり 野田 冷峰
「夏深し」
夏深し眉を濃い目に襟を抜き 高井 百子
梅干して胡瓜を漬けて夏深み 大澤 水牛
夏深し時候見舞ひの女文字 徳永 正裕
「雑詠」
百発の花火一挙に海に立つ 須藤 光迷
頁繰る余白にまでも晩夏かな 玉田春陽子
参加者(出席)今泉而雲、大澤水牛、須藤光迷、高井百子、高瀬大虫、田中白山、玉田春陽子、野田冷峰、星川佳子(投句参加)井上啓一、谷川水馬、堤てる夫、徳永正裕、前島巌水、山口斗詩子 (まとめ・堤てる夫)