番町喜楽会は2月2日(土)午後1時からNPO法人双牛舎事務所のある千代田区二番町の番町ハイム会議室で、平成25年(2013年)の第2回句会(通算89回)を開催した。この日の兼題は「春光」と「蕗の薹」。出席15名、投句参加4名で、投句総数は95句(一人5句)。選句6句で句会を進めた結果、最高点は7点で猫好き星川佳子さんの「春光やひげだけ動く眠り猫」の1句。次席6点は玉田春陽子さんの「地雷なき国のしあはせ蕗の薹」。三席5点は徳永正裕さんの「春光や鉋吐き出すまろき屑」だった。以下、4点4句、3点7句、2点13句、1点24句と続いた。
夜来の雨も10時前には上がり、午後はお日様も出て18℃になるバカ陽気。梅の花がほころび始めた。例年になく厳しかった冬もなんとなく峠を越した感じだ。句会の後、場所を市ヶ谷駅そばの「鮨乃家」に移し、恒例の「番町連句会」を行った。
この日の句会で3点以上獲得した句は次の通り。
「春光」
春光やひげだけ動く眠り猫 星川 佳子
春光や鉋吐き出すまろき屑 徳永 正裕
春光やキリンに丸き角の先 今泉 而雲
湯上りの赤子の裸春の色 田中 白山
枝つたふ滴に春の光かな 高瀬 大虫
「蕗の薹」
地雷なき国のしあはせ蕗の薹 玉田春陽子
水音の堰越え初めし蕗の薹 玉田春陽子
地の力ほつりほつりと蕗の薹 今泉 而雲
今年また摘むうれしさよ蕗の薹 大澤 水牛
用済みの井戸のまはりや蕗の薹 田中 白山
「雑詠」
病み厭きて寒明けの日を数へたり 岩沢 克恵
降りしきる雪に音消え色も消え 須藤 光迷
干し上げて海苔に生るる五彩かな 今泉 而雲
昼酒や木屋町辺り春時雨 髙橋 楓子
(出席者)井上啓一、今泉而雲、大澤水牛、加沼鬼一、笹本塘外、須藤光迷、高瀬大虫、髙橋楓子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、徳永正裕、星川佳子、前島厳水、三好六甫。(投句参加)岩沢克恵、高井百子、野田冷峰、山口斗詩子。