日経俳句会の銀鴎会・水木会が大合同して2度目の例会(通算111回)が8月15日(水)午後6時半から鎌倉橋交差点傍の日経第2別館会議室で開かれた。終戦記念日に暑熱を衝いて参集したのは22人、欠席投句11人と合わせ合計33会員から159句の投句があった。
兼題は「盆(ぼん)」「朝顔(あさがお)」で7句選句の句会の結果、最高の11点を集めたのは池村実千代さんの「髪束ね盆のあひだは嫁となる」の句。大型例会にして弾けた大型得点だった。次席も10点で嵐田啓明さんの「燐寸擦るわが手の老いや盆用意」、三席9点の佐々木碩さんの「朝顔のまだ見ぬ色に水をやる」。次いで廣上正市さんの6点句「表札は昔のままに魂迎」、岡田臣弘さんの「空襲の修羅よぎりけり川花火」が5点句と続いた。以下、4点5句、3点10句、2点22句、1点46句。
兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「盆」
髪束ね盆のあひだは嫁となる 池村実千代
燐寸擦るわが手の老いや盆用意 嵐田 啓明
表札は昔のままに魂迎 廣上 正市
十九で散つた兵士の帰る盆 植村 博明
都心にも鳥がさえずる盆休み 流合研士郎
伊江島は空母のかたち魂祭り 高瀬 大虫
木村家のあんぱんとお茶盆用意 横井 定利
皮切りはエレキサウンド盆櫓 吉野 光久
「朝顔」
朝顔のまだ見ぬ色に水をやる 佐々木 碩
朝顔を数へて今日も始まりぬ 佐々木 碩
朝顔や早起き苦もなし得もなし 杉山 智宥
朝顔や今日はきのふの繰り返し 大澤 水牛
朝顔の蔓の我がまま許しけり 澤井 二堂
朝顔の蔓をたどれば空高し 高橋 淳
朝顔や母の色なる濃紫 廣上 正市
「雑詠」
空襲の修羅よぎりけり川花火 岡田 臣弘
凉新た五輪敗者の笑顔かな 徳永 正裕
渓音の間に間に遠き秋の蝉 大沢 反平
抜け殻も声を合はすか蝉時雨 澤井 二堂
七夕や絶えて久しき願ひごと 吉野 光久
参加者(出席)嵐田啓明、井上庄一郎、今泉恂之介、植村博明、岡田臣弘、大澤水牛、大沢反平、来間紘、澤井二堂、杉山智宥、鈴木好夫、須藤光迷、高石昌魚、高瀬大虫、高橋淳、堤てる夫、徳永正裕、直井正、流合研士郎、廣上正市、星川佳子、横井定利(投句参加)池村実千代、大熊万歩、大平睦子、加藤明男、金田青水、久保田操、佐々木碩、田中頼子、水口弥生、山田明美、吉野光久 (まとめ・堤てる夫)