NPO法人双牛舎第5回総会を開催

俳句の普及振興を事業目的とするNPO法人双牛舎は4月21日、東京・市ヶ谷の寿司店「鮨乃家」で第5回年次総会を開催した。傘下の日経俳句会、番町喜楽会の会員に加え、昨年発足したばかりの三四郎句会の有志も飛び入り参加し約40人が出席、大いに盛り上がった。大澤水牛代表による1年を総括する挨拶があり、この総会を前に急逝した故山口詩朗(志郎)理事の後任として須藤光迷(公明)氏を新理事に選任したほか、事務局体制を強化するため新たに幹事長に堤てる夫(煇夫)氏、事務局長に谷川水馬(透)氏を選任したことが報告された。

総会の呼び物「双牛舎俳句大会」は第2回総会から実施したもので、今回が4度目。「花」の兼題句と雑詠句の計2句を事前に投句、会場に掲示された投句一覧表に「選句シール」を貼りつける方式で5句を選句した。投句総数は80句。

最高の「天」賞に輝いたのは、玉田春陽子さんの「ひさびさの賽銭の音山桜」で9点。「地」賞は8点で澤井二堂さんの「妻の手の荒れたるに触れ夕桜」。続く「人」賞は7点で3句あり、井上庄一郎さんの「目覚めれば病室の外花明り」、大石柏人さんの「花びらが撫でてゆきけり禿頭」、杉山智宥さんの「天井の低き地下道出れば花」が並んだ。「入選」は6点2句、5点4句。

これらの入賞者には大澤代表と須藤新理事の陶芸作品が賞品として贈られた。また入賞作品は書家赤池溪舟師揮毫の短冊に仕立てられ、来年の総会会場で披露の上贈呈される。今回の俳句大会に先立って昨年の受賞者には短冊が贈られた。

今年の第4回俳句大会の「天」「地」「人」「入選」の作品は次の通り。

「天」

ひさびさの賽銭の音山桜      玉田春陽子(番町喜楽会)

「地」

妻の手の荒れたるに触れ夕桜    澤井 二堂(酔吟会)

「人」

目覚めれば病室の外花明り     井上庄一郎(銀鴎会)

花びらが撫でてゆきけり禿頭    大石 柏人(酔吟会)

天井の低き地下道出れば花     杉山 智宥(水木会)

「入選」

どこからか花びら肩に二の腕に   大澤 水牛(代表)

一片のまた加はりし花筏      佐々木 碩(銀鴎会)

終着の無人の駅に花の雨      大熊 万歩(水木会)

復興の楽土へ続け花の道      大沢 反平(酔吟会)

たんぽぽの絮一呼吸しては発つ   佐々木 碩(銀鴎会)

五十鈴川燕返しに箸とめて     竹居 照芳(三四郎句会)

(まとめ・堤てる夫)

 

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