4月11日(水)午後6時半から東京・大手町の日経ビル会議室で第81回銀鴎会例会が開かれた。出席者は井上庄一郎、今泉恂之介、大倉悌志郎、大澤水牛、久保田操、佐々木碩、澤井二堂、高石昌魚、田中頼子、直井正、野田冷峰、廣上正市の12名。大沢反平、金田青水、須藤光迷、高瀬大虫、藤野十三妹の5名が投句参加した。
この日の兼題は「麗らか」と「木ノ芽和」。投句5句、選句7句で句会を行った結果、最高点は5点で、「うららかや河馬の歯みがく動物園 悌志郎」「ガン告知されて見上げる夕桜 光迷」の二句だった。次いで4点が4句、3点4句、2点17句、1点27句と続いた。兼題別に3点以上獲得句を掲載する。
「麗らか」
うららかや河馬の歯みがく動物園 大倉悌志郎
身を引くと決めて麗らか古希の朝 野田 冷峰
うららかや新書片手にまどろめり 須藤 光迷
うららかや網干す浜にトンビ鳴く 久保田 操
「躑躅」
共にゐて向きそれぞれの躑躅かな 野田 冷峰
丘ひとつ埋め尽くしけり大躑躅 井上庄一郎
揺るぎなきものに従ひ躑躅咲く 野田 冷峰
けもの道抜けて絶壁岩つつじ 廣上 正市
「雑詠」
ガン告知されて見上げる夕桜 須藤 光迷
春耕の一人となりて風掴む 廣上 正市