銀鴎会は2月8日(水)、日経本社718会議室で平成24年度第1回例会(通算80回)を開催した。この会から欠席投句者も選句に参加する方式がスタートし、2名がメールで参加した。
出席者は井上庄一郎、今泉恂之介、大倉悌志郎、大澤水牛、大沢反平、佐々木碩、澤井二堂、鈴木好夫、高石昌魚、高瀬大虫、直井正、廣上正市の12名。投句参加は金田青水、須藤光迷、田中頼子、野田冷峰、藤野十三妹、山口詩朗の6名で、総投句数は88句。選句6句で句会を進めた(金田、須藤両氏からメール選句あり)。
最高点は大沢反平さんの「行く末の見えざる日々や建国日」の8点、次いで澤井二堂さんの「地面から飛び出す色やクロッカス」、金田青水さんの「検診のあとは鶯餅ひとつ」など4点句が3句続いた。3点句は山口詩朗さんの「千代紙で箸置つくる紀元節」、大倉悌志郎さんの「クロッカスともに植ゑし子はや十五」など九句も出た。このほか、2点5句、1点が24句あった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「紀元節(建国日)」
行く末の見えざる日々や建国日 大沢 反平
千代紙で箸置きつくる紀元節 山口 詩朗
建国日乳房大きな土偶たちと 山口 詩朗
「クロッカス」
地面から飛び出す色やクロッカス 澤井 二堂
芝庭に色生れにけりクロッカス 今泉恂之介
小庭にも青空のありクロッカス 今泉恂之介
クロッカスともに植ゑし子はや十五 大倉悌志郎
不合格の子にはやさしきクロッカス 大澤 水牛
咲き継ぎて家族のやうにクロッカス 佐々木 碩
卓上にワイングラスやクロッカス 直井 正
クロッカス森の小人の集ひかな 直井 正
「雑詠」
検診のあとは鶯餅ひとつ 金田 青水
如月の淋しさ犬の腹撫でて 山口 詩朗