平成24年の第1回(通算96回)句会は1月14日(土)午後1時から、鎌倉橋交差点そばの日経第二別館会議室で開かれた。首都圏は師走から雨がなく乾燥した晴天が続き、この日も晴れた。しかし日中もかなり冷え込んだせいか出席者は12人といつもより少なかった。出席者は大澤水牛、大沢反平、岡田臣弘、金指正風、片野涸魚、黒須烏幸、澤井二堂、堤てる夫、徳永正裕、藤村詠悟、星川佳子、吉野光久。投句参加は今泉恂之介、田村舟平、藤野十三妹、山口詩朗の四氏。
兼題は「初夢」「日脚伸ぶ」で5句投句。出席者による7句選句で句会を行った。その結果、最高点句は4点で「会ひたくもなき顔もゐて夢始め 光久」「吹きすさぶ空に冬芽のまぎれなく 同」「乳母車のよくうごく足日脚伸ぶ 佳子」「初夢や樹木に生れ変りをり 同」の4句、ついで3点8句、2点7句、1点30句と互選の点がいささかばらけた。兼題別の3点句以上は次の通り。
「初夢」
初夢や樹木に生まれ変りをり 星川 佳子
会ひたくもなき顔もゐて夢始 吉野 光久
初夢を何か見たよな見ぬような 澤井 二堂
初夢は妻を見染めし学食堂 岡田 臣弘
初夢の母模糊として笑ふかな 山口 詩朗
初夢やたどり着けないドアの先 星川 佳子
「日脚伸ぶ」
乳母車のよくうごく足日脚伸ぶ 星川 佳子
日脚伸ぶ語尾を引きずる娘たち 大澤 水牛
草臥れし靴を新調日脚伸ぶ 堤 てる夫
「雑詠」
吹きすさぶ空に冬芽のまぎれなく 吉野 光久
事多き年を記して日記閉ず 金指 正風
しばるるや仮設住ひの職捜し 金指 正風
(吉野光久・記)