水木会第103回例会

日経俳句会の水木会は10月19日(水)午後6時30分から東京・大手町の日経本社で平成23年度第9回例会(通算103回)を開いた。兼題は「行く秋」「小鳥来る」。出席者19人、投句参加6人、当季雑詠を含めて5句投句の総数は123句。7句選句で句会を進めた結果、佐々木碩さんの「ふるさとの空に径あり小鳥来る」が最高の7点を得た。次席は5点句で、佐々木さんの「椋鳥の千羽傾く西の空」のほか、大熊万歩さんの「高きより声こぼしつつ小鳥来る」と、澤井二堂さんの「行く秋や乾き気味なる筆の先」の3句。続く4点句は「小鳥来る仮の住まひのおやつどき 嵐田啓明」「秋霖の晴れて松葉の匂ひ立ち 金田青水」「山門のはぐれ鴉も秋思かな 水口弥生」の3句が並んだ。以下3点8句、2点22句、1点29句。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。(堤てる夫記)

 

「行く秋」

行く秋や乾き気味なる筆の先        澤井 二堂

行く秋や人は口癖繰り返し         今村 聖子

行く秋やぐい呑すぽり手になじみ      大澤 水牛

秋行くや博物館に開かずの間        星川 佳子

 

「小鳥来る」

ふるさとの空に径あり小鳥来る       佐々木 碩

高きより声こぼしつつ小鳥来る       大熊 万歩

椋鳥の千羽傾く西の空           佐々木 碩

小鳥来る仮の住まひのおやつどき      嵐田 啓明

百貨店の包みいろいろ小鳥来る       大下 綾子

特別なことは望まず小鳥来る        横井 定利

 

「雑詠」

秋霖の晴れて松葉の匂ひ立ち        金田 青水

山門のはぐれ鴉も愁思かな         水口 弥生

園丁の掃けども積もる秋深し        小林 啓子

靴修理ひとりの仕事秋深し         山口 詩朗

友よりの述懐も添へ今年米         吉野 光久

 

参加者(出席)嵐田啓明、池村実千代、今泉恂之介、今村聖子、植村博明、大澤水牛、小林啓子、澤井二堂、杉山智宥、高石昌魚、高橋淳、堤てる夫、徳永正裕、広上正市、星川佳子、水口弥生、山口詩朗、横井定利、吉野光久(投句参加)大熊万歩、大下綾子、金田青水、久保田操、佐々木碩、藤野十三妹

 

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