番町喜楽会の9月例会は1日(木)午後6時半から番町ハイム1階会議室で行われた。この夜の兼題は「秋の暮」と「団栗」。投句は雑詠を含め5句だが、投句総数が欠席投句6人分を含め90句となり、選句数をいつもより多い8句としたため予想通り票が割れた。
最高点は6点で山口詩朗さんの「伸び伸びとはみ出してゐる秋刀魚かな」の1句。5点が無く、4点が「雲いまだ茜はなさぬ秋の暮 春陽子」と「ゆるゆるに生きて蕎麦打つ秋の暮 冷峰」の2句だった。以下、3点が9句、2点16句、1点23句という結果になった。3点以上獲得した句は別掲の通り。
【句会参加者】(出席)井上啓一、今泉而雲、大澤水牛、笹本塘外、須藤光迷、谷川透、玉田春陽子、野田冷峰、野見山恵子、星川佳子、前島厳水、山口詩朗、(投句参加)高井百子、高瀬大虫、高橋楓子、堤てる夫、徳永正裕、三好六甫。
「秋の暮」
雲いまだ茜はなさぬ秋の暮 玉田春陽子
ゆるゆるに生きて蕎麦打つ秋の暮 野田 冷峰
迷ひたし知らぬ道とる秋の暮 星川 佳子
角ひとつ曲がってみれば秋の暮 今泉 而雲
新宿で旅も終りや秋の暮 山口 詩朗
灯を散らし都電去り行く秋の暮 山口 詩朗
背後から来る影は誰秋の暮 高瀬 大虫
利尻富士裾野は海へ秋の暮 堤 てる夫
泣きぼくろ鏡に映す秋の暮 高橋 楓子
ひつそりと老老介護秋の暮 前島 厳水
「団栗」
愛してるなんていまさら団栗蹴る 高橋 楓子
「雑詠」
伸び伸びとはみ出してゐる秋刀魚かな 山口 詩朗