番町喜楽会第72回例会

番町喜楽会の9月例会は1日(木)午後6時半から番町ハイム1階会議室で行われた。この夜の兼題は「秋の暮」と「団栗」。投句は雑詠を含め5句だが、投句総数が欠席投句6人分を含め90句となり、選句数をいつもより多い8句としたため予想通り票が割れた。

最高点は6点で山口詩朗さんの「伸び伸びとはみ出してゐる秋刀魚かな」の1句。5点が無く、4点が「雲いまだ茜はなさぬ秋の暮 春陽子」と「ゆるゆるに生きて蕎麦打つ秋の暮 冷峰」の2句だった。以下、3点が9句、2点16句、1点23句という結果になった。3点以上獲得した句は別掲の通り。

【句会参加者】(出席)井上啓一、今泉而雲、大澤水牛、笹本塘外、須藤光迷、谷川透、玉田春陽子、野田冷峰、野見山恵子、星川佳子、前島厳水、山口詩朗、(投句参加)高井百子、高瀬大虫、高橋楓子、堤てる夫、徳永正裕、三好六甫。

「秋の暮」

雲いまだ茜はなさぬ秋の暮      玉田春陽子

ゆるゆるに生きて蕎麦打つ秋の暮   野田 冷峰

迷ひたし知らぬ道とる秋の暮     星川 佳子

角ひとつ曲がってみれば秋の暮    今泉 而雲

新宿で旅も終りや秋の暮       山口 詩朗

灯を散らし都電去り行く秋の暮    山口 詩朗

背後から来る影は誰秋の暮      高瀬 大虫

利尻富士裾野は海へ秋の暮      堤 てる夫

泣きぼくろ鏡に映す秋の暮      高橋 楓子

ひつそりと老老介護秋の暮      前島 厳水

「団栗」

愛してるなんていまさら団栗蹴る   高橋 楓子

「雑詠」

伸び伸びとはみ出してゐる秋刀魚かな 山口 詩朗

 

 

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