8月の銀鴎会は10日(水)、内神田の日経第二別館会議室で開かれた。炎天下にもかかわらず12名の句友が参加し、「終戦日」についての認識、その表現についてのやり取りで盛り上がった。また、大澤水牛幹事長から双牛舎が発行した『芽吹き─「みんなの俳句」東日本大震災に寄せて』の紹介があり、購入者が相次いだ。
出席者は井上庄一郎、今泉恂之介、大倉悌志郎、大澤水牛、大沢反平、佐々木碩、澤井二堂、須藤光迷、高石昌魚、直井正、広上正市、山口詩朗氏の十二人。投句での参加は高瀬大虫、田中頼子、野田幸雄氏の三人。兼題は「秋の雲」「終戦日」。投句五句、選句六句。総投句数は75句。最高は4点で髙瀬大虫さんの「修験者の足の速さや秋の雲」」。3点は直井 正さんの「大漁の旗ひらめきて秋の雲」、大澤水牛さんの「歳時記の隅に埋もるる終戦日」など7句。2点は11句、1点23句。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「秋の雲」
修験者の足の速さや秋の雲 髙瀬 大虫
大漁の旗ひらめきて秋の雲 直井 正
「終戦日」
歳時記の隅に埋もるる終戦日 大澤 水牛
添書に今日も晴れです終戦日 大沢 反平
ちちははの言葉少なし終戦日 田中 頼子
「雑詠」
雲の峰沖行く船を呑まんとす 佐々木 碩
青竹をきしませ鉾の回りたる 田中 頼子
白粉花咲くや銭湯開く頃 山口 詩朗
(広上正市記)