水木会は7月20日(水)、第100回句会を内神田の日経第二別館会議室で開いた。水木会発足(平成14年3月)からまる9年を経た記念すべき集まりとあって、台風6号が首都圏に迫るという悪条件下にもかかわらず、元気な顔ぶれが勢揃いした。
記念すべき句会の兼題は「夏の山」と「素麺」。最高点の4点を取ったのは徳永正裕さんの「路地の鉢電球ほどの茄子ふたつ」、佐々木碩さんの「大らかに盛って独りの冷素麺」の2句。次いで3点は加藤明男さんの「夏山や麓の村は過疎となり」、嵐田啓明さんの「ひとくちの素麺嬉し機内食」など7句出た。2点は21句、1点は35句。参加者の力量が向上しているうえに、生活に身近な兼題だったこともあって選句結果にばらつきが目立ち、全122句の半分以上に点が入った。。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「夏の山」
夏山や麓の村は過疎となり 加藤 明男
夏の山男一礼雲めざす 佐々木 碩
吊橋を渡るそこから夏の山 広上 正市
周波数ずれしラジオや夏の山 吉野 光久
「素麺」
大らかに盛って独りの冷素麺 佐々木 碩
ひとくちの素麺嬉し機内食 嵐田 啓明
素麺にオクラの星をちりばめる 今泉恂之介
合宿の素麺冷やす大盥 大熊 万歩
「雑詠」
路地の鉢電球ほどの茄子ふたつ 徳永 正裕
〈出席者〉嵐田啓明、池村実千代、今泉恂之介、今村聖子、大熊万歩、大澤水牛、久保田操、杉山智宥、須藤光迷、高石昌魚、徳永正裕、広上正市、星川
佳子、水口弥生、山口詩朗
〈投句参加〉 植村博明、大下綾子、加藤明男、小林啓子、佐々木碩、高橋淳、堤てる夫、藤野十三妹、横井定利、吉野光久
(広上正市記)