水木会第99回例会

水木会は5月18日(水)、日経本社7階会議室で、平成23年度第5回例会(通算99回)を開いた。「大震災」から早や二カ月を越えたが、巨大地震・津波の災害復旧の足取りは重く、福島原発の事故収束の道のりは遠い。この日の兼題「薄暑」「柏餅」で気分を切り替えたいというのが誰しもの思いなのだろう、出席者17人に投句参加者が12人、投句総数139句と大賑わいだった。
選句7句で句会を進めた結果、最高の6点は「葉を四ツに畳みし客や柏餅 光迷」の1句。次席は4点で、「薫風を押してよたよた都電来る 正裕」「旧道の青菜売場に柏餅 正市」「半袖の細き腕なり街薄暑 弥生」の3句だった。3点句は11句。以下、2点19句、一点29句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「薄暑」
半袖の細き腕なり街薄暑         水口 弥生
節電の断り書きや駅薄暑         嵐田 啓明
古着屋は若者ばかり昼薄暑        植村 博明
妻病んで暗き薄暑の台所         大澤 水牛
夕薄暑青葡萄のやうな時         佐々木 碩
菜園の支柱揃ひし薄暑かな        広上 正市
黒髪の重くなりたる薄暑かな       星川 佳子
白塗りの舞妓のうなじ夕薄暑       吉野 光久
「柏餅」
葉を四ツに畳みし客や柏餅        須藤 光迷
旧道の青菜売場に柏餅          広上 正市
子供らはみな巣立ちたり柏餅       今泉恂之介
新しき稽古着おろす柏餅         大下 綾子
柏餅ふるさと会の誘ひ状         徳永 正裕
子のをらぬ夫婦の好きな柏餅       吉野 光久
「雑詠」
薫風を押してよたよた都電来る      徳永 正裕

<出席者> 池村実千代、今泉恂之介、植村博明、大熊万歩、大澤水牛、大平睦子、加藤明男、久保田操、小林啓子、高橋淳、堤てる夫、徳永正裕、広上正市、星川佳子、水口弥生、横井定利、吉野光久
<投句参加> 嵐田啓明、今村聖子、大下綾子、金田青水、佐々木碩、杉山智宥、須藤光迷、高石昌魚、深田森太郎、藤野十三妹、山口詩朗、山田明美
(堤てる夫記)

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