水木会第93回例会

水木会の第93回例会が10月20日(水)午後6時半、東京・大手町の日経本社ビル会議室で行われた。このところ朝晩めっきり涼しい、と言うより肌寒く感じられるようになり、風邪を引く人がちらほら出て来た。

この日の出席者は18人、投句参加が9人。兼題は「後の月」と「蟋蟀(こおろぎ)」。投句は3句以上5句以内、選句7句で句会を行った。全投句131句の中の最高点は9点で「歌舞伎座の跡形も無く後の月 定利」。8点句、7点句が無く、6点が「こほろぎも土間の匂ひも祖父の家 恂之介」「コオロギや地デジ地デジと言うなかれ 智宥」「ちちろ虫鳴きて新居の定まれり 啓子」の3句、5点が「鎌倉や五山それぞれ十三夜 てる夫」「虫の音に全山息を合はせたり 万歩」「蟋蟀や三本立ての映画館 定利」の3句だった。以下、4点5句、3点4句、2点15句、1点29句と続いた。3点以上獲得した句は次の通り。

「後の月」

歌舞伎座の跡形も無く後の月     橫井 定利

鎌倉や五山それぞれ十三夜      堤 てる夫

虫の音に全山息を合はせたり     大熊 万歩

銭湯の富士見て帰る良夜かな     大下 綾子

語らふも独り居もよし後の月     吉野 光久

昭和史に栞挟みて後の月       嵐田 啓明

母と臥す畳の匂ひ後の月       橫井 定利

「蟋蟀」

こほろぎも土間の匂ひも祖父の家   今泉恂之介

コオロギや地デジ地デジと言うなかれ 杉山 智宥

ちちろ虫鳴きて新居の定まれり    小林 啓子

蟋蟀や三本立ての映画館       橫井 定利

ひとしきり蟋蟀かまふ猫の昼     今村 聖子

蟋蟀や遠く過ぎ去る救急車      嵐田 啓明

こほろぎやついては消ゆる街路灯   大澤 水牛

蟋蟀も遠慮がちなり通夜の闇     加藤 明男

「雑詠」

ひと電車待つ間のつるべ落としかな  山口 詩朗

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