番町喜楽会は5月7日(月)午後6時半から東京・九段下の九段生涯学習館4階集会室で平成24年度第5回例会(通算80回)を開いた。兼題は「金魚(きんぎょ)」と「夏木立(なつこだち)」で、出席12人、投句参加6人の計18人から5句投句、投句総数90句。選句6句で句会を進めた結果、笹本塘外さんの「白玉や浅草の雨降り止まず」が6点を得て最高。次席は4点で、井上啓一さんの「金魚にも拗ね者ありていつも底」、谷川水馬さんの「万緑や折り目正しき野点傘」、星川佳子さんの「金魚鉢コツコツお前も独り者」、三好六甫さんの「よみがへる六角堂や夏木立」の4句が並んだ。以下、3点4句、2点12句、1点24句。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「金魚」
金魚にも拗ね者ありていつも底 井上 啓一
金魚鉢コツコツお前も独り者 星川 佳子
口開けて金魚見る子や通学路 星川 佳子
「夏木立」
よみがへる六角堂や夏木立 三好 六甫
山門の太き閂夏木立 玉田春陽子
「雑詠」
白玉や浅草の雨降り止まず 笹本 塘外
万緑や折り目正しき野点傘 谷川 水馬
紫木蓮咲くやバナナを剥くやうに 今泉 而雲
雑貨屋の束子山盛り夏来る 玉田春陽子
参加者(出席)井上啓一、今泉而雲、大澤水牛、笹本塘外、須藤光迷、玉田春陽子、高井百子、堤てる夫、徳永正裕、野田冷峰、星川佳子、前島巌水(投句参加)岩沢克恵、加沼鬼一、高瀬大虫、高橋楓子、谷川水馬、三好六甫
(まとめ・堤てる夫)