番町喜楽会第78回例会

番町喜楽会は3月5日(月)午後6時半から千代田区九段下の九段生涯学習会館3階学習室で、平成24年度第3回例会(通算78回)を開いた。梅の開花が遅れ気味の中、「東風(こち)」と「地虫穴を出づ(じむしあなをいづ)」がこの日の兼題。投句と選句表の事前配布方式にも慣れてきて、6句選句の披講が円滑に進んだ。投句数94句のうち最高点は高橋楓子さんの「亜麻色に髪染めてみむ雲雀東風」の6点句。次席は4点で3句あり、笹本塘外さんの「自動ドア開けばたちまち東風の街」、高井百子さんの「しくしくと疼く奥歯よ地虫出づ」、徳永正裕さんの「あるじなき娘の部屋の雛飾り」が並んだ。次いで3点句は10句がひしめいた。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

 

「東風」

亜麻色に髪染めてみむ雲雀東風        高橋 楓子

自動ドア開けばたちまち東風の街       笹本 塘外

東風の香や出稼ぎの父帰るころ        今泉 而雲

梅東風の今年は遅し港町           大澤 水牛

朝の東風絵馬の三千打ち鳴らす        玉田春陽子

夕東風や遠き岬に灯の点る          前島 巌水

 

「地虫穴を出づ」

しくしくと疼く奥歯よ地虫出づ        高井 百子

穴出でてふともの思ふ地虫かな        笹本 塘外

穴を出て蜥蜴まどろむ石の上         須藤 光迷

くしゃみする犬の鼻先地虫出づ        高橋 楓子

 

「雑詠」

あるじなき娘の部屋の雛飾り         徳永 正裕

肌寒といえど祝ぎ春ショール         岩沢 克恵

啓蟄や鼻毛を切つて家を出る         加沼 鬼一

カピバラの髭に湯の花春遅し         谷川 水馬

 

参加者(出席)井上啓一、今泉而雲、大澤水牛、笹本塘外、須藤光迷、高瀬大虫、高橋楓子、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、野田冷峰、星川佳子、前島巌水、三好六甫(投句参加)岩沢克恵、加沼鬼一、高井百子、山口詩朗 (まとめ 堤てる夫)

 

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