第106回水木会例会

日経俳句会の水木会は2月15日(水)午後6時半から、東京・大手町の日経本社17階会議室で、平成24年度第2回例会(通算106回)を開いた。「春暁(しゅんぎょう)」と「パンジー」の兼題句を含めて5句投句、6句選句を事前に済ませるメール活用方式で実施した。

投句総数は149句で、水木会の例会としては過去最多を記録。欠席者のメール選句が拡がって出席者と合わせ都合28人が選句に参加した。故郷の新潟県弥彦村で米作に専念して来た小林豊彦さんが平成18年以来の復活投句で句会再登場を果たした。

最高は6点2句で、いずれも佐々木碩さんの「春暁や子馬誕生立ちあがる」と「パンジーやみんな先生大好きで」。次席5点は今村聖子さんの「パンジーやフランス窓を開け放ち」の1句。続く4点句は、「春暁や眠りこけたる鳩時計 大熊万歩」「春暁の座禅堂にて肩打たる 徳永正裕」「月光に匂ひあるらし春の宵 星川佳子」「パンジーを二鉢提げてバスの客 吉野光久」「浮くとなく流るるとなく春鴎 光久」の5句。以下3点11句、2点24句、1点41句。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「春暁」

春暁や子馬誕生立ちあがる        佐々木 碩

春暁や眠りこけたる鳩時計        大熊 万歩

春暁の座禅堂にて肩打たる        徳永 正裕

春暁のしづかな雨に目覚めけり      今村 聖子

春暁の鐘打つ僧の反り身かな       廣上 正市

春暁やブンと鳴り出す冷蔵庫       星川 佳子

春暁や波止場に残るテープ屑       山口 詩朗

春暁や横町の匂ひ始まりぬ        横井 定利

「パンジー」

パンジーやみんな先生大好きで      佐々木 碩

パンジーやフランス窓を開け放ち     今村 聖子

パンジーを二鉢提げてバスの客      吉野 光久

パンジーのほんの少しの匂ひかな     池村実千代

職退きてパンジーを見る朝となり     今泉恂之介

パンジーが四方八方向く日向       杉山 智宥

「雑詠」

月光に匂ひあるらし春の宵        星川 佳子

浮くとなく流るるとなく春鴎       吉野 光久

白き田に我が影伸びる寒の暮       小林 豊彦

梅の香や江ノ電停まる駅ごとに      山口 詩朗

忘れたい忘れたくない春が来た      横井 定利

 

参加者(出席) 嵐田啓明、池村実千代、今泉恂之介、植村博明、大澤水牛、佐々木碩、澤井二堂、杉山智宥、須藤光迷、高石昌魚、堤てる夫、徳永正裕、広上正市、藤野十三妹、星川佳子、水口弥生、横井定利(投句・選句)今村聖子、大熊万歩、大下綾子、大平睦子、金田青水、久保田操、高橋淳、直井正、山口詩朗、山田明美、吉野光久(投句参加)小林啓子、小林豊彦、深田森太郎

(まとめ・堤てる夫)

 

 

 

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