凡例

●この類題句集は江戸時代の俳人の句を中心に集めている。近代は著作権の関係から、没年が1959年の俳人(高浜虚子、永井荷風ら)までの句とした。

●季語は江戸時代の句によく詠まれているものを優先し、130の季語を選んだ。

●現代人が理解でき、共感を持てるような句をなるべく採用した。

●句によっては、簡単な訳(訳)と注釈(注)を添えた。

●資料によって句に相違がある場合は、現代人が理解しやすい句を優先して選んだ。
【例】「両方に髭があるなり猫の恋」(小西来山)=採用。「両方に髭あるなり猫の妻」=不採用。

●句の漢字や仮名の表記、仮名遣いなどは主として「近代俳句大索引」(安藤英方編 明治書院)の表記を用いた。同書に記載されていない句は、それ以外の書の適当と思われる表記を採用した。

●作者名は、姓と名(俳号)併記を原則とした。例・松尾芭蕉。資料によって複数の姓が存在する場合は、広く使われていると思われる方を採用した。例・宝井其角=採用、榎本其角=不採用。姓が不明、姓がないと思われる場合は、名(俳号)だけとした。

●句の配列は作者の生年順を原則とした。生年不明、生没年不明の人の句は同時代俳人との関係などによって、おおよその配列順位を推定した。

●季語の季節区分は、「春」「夏」「秋」「冬」、それに「年末年始」の項を設けた。歳時記の区分「新年」に変えて「年末年始」としたのは、「冬」の項に含まれる季語のうち師走、行く年などは「冬」よりも「年末」とすべき、と判断したためである。「師走」→「新年」などの連続性も重視した。

●季語の分類、区分はおおむね一般の歳時記に倣ったが、現代の俳句愛好者の作句傾向を勘案したものもある。
例(1)「梅」「紅梅」は一つの季語とし、「梅」とした。
例(2)『生活』の項の「花見」は、『植物』の項の「桜(花)」の下に並べた。

●「繰り返し符号」(くの字の長いもの)(ゝ)などは用いず、例えば「あゝ」は「ああ」とした。ただし「次々」など「々」の使用は作品の通りとした。

●一句中の丸カッコ(   )の使用は以下の三ケースである。
(1)漢字の読み=ルビに替るもの。「例・碑(いしぶみ)」
(2)仮名の漢字表記。「例・ありく(歩く)」
(3)送り仮名の付加。例・「行や」→行(く)や」

●なお、この類題句集は編集中のものであり、今後も随時、新規採用、削除、訂正などを行う予定である。

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