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わたしの俳句館
NPO法人双牛舎
吉田 正義
よしだ・まさよし
昭和14年(1939)3月生れ。昭和37年、上智大学ドイツ文学科卒。埼玉県さいたま市在住。会社役員、三四郎句会会員。
乾きたる柏手の音初社
神宿る木曽三川の初霞
書初めや墨擦る音の静かなる
天かけて龍立ち昇るどんど焼き
なまはげや南無阿弥陀仏とばばの声
雪残る枯山水の仏たち
囀るや三陸の野に鎮魂碑
木漏れ日の揺れてまぶしげ青蛙
空映し琵琶湖周遊夏はじめ
濃淡の樹々や薄暑の立石寺
万葉の色を伝へて合歓の花
金魚鉢水藻の陰に赤と黒
夢に見る蛍乱舞の疎開先
旧盆に御無沙汰顔の揃ひたる
河童忌や本所の井戸に蜘蛛の糸
ひぐらしや人影のなき浮御堂
秋雲やあちこちの田に煙立つ
ふるさとの香の漂へる花野かな
なにげなく冬の夕日に手を合はせ
朝日満ち北の大地に鶴の舞
古民家のこれも懐かし隙間風
凍鶴やがまんがまんの青春賦