番町喜楽会第140回例会

参加20名で「青田」と「短夜」を詠む

番町喜楽会の平成29年6月例会(通算140回)は、6月3日(土)午後6時から、「青田」と「短夜」を兼題として九段下の割烹「味さと」で開いた。投句者は20名、97句で、そのうち15名が会場に集まり句会を始めた。投句5句、選句6句の結果、玉田春陽子さんの「短夜の覚めて余生をもてあます」が8点でトップに輝いた。また、谷川水馬さんの「若竹や十四歳の攻めの棋譜」と徳永正裕さんの「青田風帰農の友は村長に」の5点句が続いた。以下、4点句が2句、3点句が11句、2点句が18句、1点句が25句という結果だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「青田」

青田風帰農の友は村長に        徳永 正裕

一陣の風や青田に龍描き        谷川 水馬

軽トラのゆるゆる進む青田道      嵐田 双歩

若人の育む青田古代米         谷川 水馬

隠し田のごとくに青田奥会津      玉田春陽子

「短夜」

短夜の覚めて余生をもてあます     玉田春陽子

短夜や肺病む妻の呼吸音        嵐田 双歩

酔ひざめの厠の小窓明け早し      大澤 水牛

明け易や京に一人の片泊        玉田春陽子

「雑詠」

若竹や十四歳の攻めの棋譜       谷川 水馬

無口な子たまに頷きビール干す     嵐田 双歩

梅雨晴れ間施設の母に友の来て     齊山 満智

幾つまで生きればいいの衣更      須藤 光迷

花独活の踊る川辺や風の道       谷川 水馬

忖度といふ奇語ありて五月闇      徳永 正裕

麦秋の平野を分かち大河ゆく      中村 哲

《参加者》【出席15人】嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、須藤光迷、高井百子、高瀬大虫、田中白山、谷川水馬、谷口命水、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、野田冷峰、星川佳子、前島幻水。【投句参加5人】齊山満智、澤井二堂、中村哲、廣田可升、山口斗詩子。(選句のみ参加)池内健治。

(報告・谷川水馬)

 

 

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